文蛤 ハマグリの殻 


【基原動物】 ハマグリ(タイワンハマグリ)等 Meretrix lusoria
【生薬名】 文蛤(ハマグリ)、海蛤殻(オキシジミCyclina sinensis)
【 科名 】 マルスダレガイ科 Veneridae
【 別名 】 花蛤
【薬用部位】 貝殻を粉末にしたもの
【 主成分 】 カルシウム
【 薬 性 】 気味は苦鹹平、帰経は肺腎に属す
【 効 能 】 ●清熱利湿、化痰散結
●止渇利尿
●効能は牡蛎に似るが胸中の水飲を下降して胃気を潤すので、止渇の効能がある
●処方は文蛤散(傷寒論・金匱要略)と文蛤湯(金匱要略)がある
●粉末にして1日10gを3回に分けて飲む
●まず使うことのない処方、大塚敬節先生も使用したことがない
●大きさ3~6㎝ぐらいのモノが良いという
【 備 考 】 性味・効能は海蛤殻と同じ(漢薬の臨床応用)
【 出 典 】 ●消渇を止め酒毒を解し牡蛎と効を同うす(本草備要)
●148.病在陽.應以汗解之.反以冷水之.若灌之.其熱被劫不得去.彌更益煩.肉上粟起.意欲飲水.反不渇者.服文蛤散.若不差者.與五苓散.寒實結胸.無熱証者.與三物小陷胸湯.白散亦可服.(太陽病下篇)
 文蛤散方.文蛤五両.右一味為散.以沸湯和一方寸匕服.湯用五合.
●渇欲飲水不止者.文蛤散主之.(消渇小便利淋病第十三)
 文蛤散方.文蛤五両.右一味.杵為散.以沸湯五合.和服方寸匕.
●吐後.渇欲得水.而貪飲者.文蛤湯主之.兼主微風脉緊頭痛.(嘔吐暍下利病篇十七)
 文蛤湯方.文蛤五両.麻黄.甘草.生姜各三両.石膏五両.杏仁五十枚.大棗十二枚.右七味.以水六升.煮取二升.温服一升.汗出即愈.
【 処方例 】 文蛤散、文蛤湯