体力虚実

体力とは、単に体格がよいとか、体重が重い軽いなどだけを指すのではありません。
病気になったときの生体の反応力や抵抗力、さらには体の予備能力も含みます。
これを漢方では虚実で表すのです。 
虚証とは体力がない状態です。しかし普段から体力が十分ある方でも、ハードワークや遊びすぎ、飲み過ぎ、風邪の治りかけなどでは、病邪に対する抵抗力が十分にないので、生体反応は乏しいものになってしまっているのです。
一般には体力の乏しい方は虚証に属します。しかし体力が弱々しくなっている方でも、たとえば慢性病で長期入院している方でも、命に関わるようなインフルエンザや肺炎にかかった様な時には、生体反応が強く現れることがあります。このような状態では、普段から体力がしっかりしている人と同じように一時的に治療をします。つまり実証=体力のしっかりしている人と同じ薬で治療をするのです。

 

弛張熱往来寒熱または寒熱往来

弛張熱とは少陽病期の熱の状態
柴胡剤は、おおむね、この熱型がある
午前はやや低く、夕方になると熱が上昇するが、発汗するとまた熱が下がる
こうして日一日と徐々に熱が上がっていくような熱の型を弛張熱のこと
『傷寒論』では往来寒熱または寒熱往来と記載されている