和方

和方とは、日本で生まれた使われてきた処方です。
一方、漢方は文字通り中国伝来の確立された医学です。
漢方は医学理論が(ある意味では現代医学以上に)確立されており、
漢方での診察法である四診を行います。
四診とは望診、聞診、問診、切診の四つの診察法です。
この四診より得られた情報を礎にして、
患者がどのような状態にあるのかを見極めて、
それに合致した方剤を(処方)を決定します。

和方とは、漢方のような厳密な用い方はしませんが、私が思うに、
日本の四季の移り変わりに順応できるように民間薬を組み合わせてきたものだと思われます。
またある薬草はある症状、病状にに効くということが、伝承されており、
それらを幾つか組み合わせると更に効果が良い事がわかってきて、
これらの経験が実施されて残ったものが和方というものに成ったに違いありません。
場合によっては漢方以上の効果を見る事もあります。
方剤の中に本朝経験方というものがありますが、
この中にも和方の中に入れても良いものがあるとおもいます。
ここでは異論はあるでしょうが、それらを一部入れておいて《本朝経験方》としておきます。

以下に和方をあげて見ようと思いますが、
私自身が手元に和方や民間療法の文献を持っていないので、
手持ちの薬草の書物などから拾い上げるしか手だてがありません。
しかし幾つか知っておく事は大事な事だと思いますので
少しずつ、増やしていくつもりです。

和方の情報をお持ちの方は、是非お教えください。


主な和方の例

1.枇杷葉湯

  〔構成〕‥カッ香、木香、呉茱萸、肉桂、枇杷葉、甘草、莪朮
  〔効能〕‥暑気あたり、夏負け

2.和中飲《本朝経験方》

  〔構成〕‥カッコウ(香)3.0、木香2.0、呉茱萸4.0、桂枝3.0、枇杷葉4.0、甘草2.5、莪朮3.0、縮砂3.0、丁香2.0
  〔効能〕‥傷食、夏負け。冬場には屠蘇散を飲みますが、夏場は胃腸の冷えによる胃腸の弱りを防ぐ目的で飲まれていました。
  〔備考〕勿語薬室方函口訣にも記載されている事より江戸末期から明治にかけてはよく飲まれていたと思われます。

3.連翹湯《本朝経験方》別名まくり

  〔構成〕‥桔梗2.0、甘草1.0、紅花1.0、連翹3.0、木通3.0
  〔効能〕‥胎毒下しの妙薬。初乳前に振り出して飲ませる、アレルギーの解毒にも一役買ってくれそうな処方です。

4.反鼻交感丹料《本朝経験方》

  〔構成〕‥茯苓5.0、香附子3.0、反鼻2.5、乾姜1.5 (茯苓・香附子各6.0、反鼻・乾姜各2.0)
  〔効能〕‥失心、健忘、心気快々として楽しまざるもの

5.伯州散《本朝経験方》

  〔構成〕津蟹(モクズガニ)、反鼻、鹿角  ※津蟹なければモグラでも代用していました。
       以上等分を別々に黒焼き(蒸し焼き、霜)として混和し、1回1.0g1日3回服用
  〔効能〕‥虚証のカルブンケル、フルンケル、皮下膿瘍、歯周病、肛囲炎、痔瘻などの
       化膿症で膿が出難く、あるいは膿が出て肉の上がり悪く口がふさがり難いもの

6.芟凶湯さんきょうとう《本朝経験方》

  〔構成〕‥海人草5.0、大黄1.5、蒲黄1.5、苦楝皮1.5
  〔効能〕‥虫下し

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