吉益東洞「方機」 |
方機 吉益先生口授 乾省守業筆記 殿経文緯校訂 |
一、桂技湯 ●頭痛し発熱し汗出で悪風する者は正証なり、頭痛の一証もまた当に此の方を投ずべし、若し咳嗽嘔逆によって頭痛する者は則ち此の湯の治す所に非ず。 ●悪寒し鼻鳴し乾嘔する者は外邪の候なり。此の方之を主る。脈浮弱或は浮数にして悪寒する者は証を具えずと難もまた此の方を用う、浮数浮弱は蓋し桂技湯の脈状なり。 ●汗吐下の後更に湊ること一証、また発熱して汗出でて身疼痛する者は此の方猶お用うべきなり、若し脈浮緊にして疼痛する者は則ち此の湯の治する所にあらず。 二、桂枝加芍薬生姜人参湯 ●発汗して後疼痛甚だしく、脈沈遅、或は痺し、或は四肢拘攣し、心下宿塞する者は桂枝加芍薬生姜人参湯之を主る(大簇或は応鐘を兼用す)。 三.桂枝加桂湯 ●上衝甚だしきものは桂枝加桂湯を主る(応鐘を兼用す)。若し拘急硬満の証ある者は則ち桂枝湯を与えて宜しからず。凡そ上衝する者は上逆の謂に非ず、気少腹より上りて胸を衝く是なり。 ●煩し脈浮数にして硬満の状なき者。 四、桂枝加芍薬湯 ●腹満し、寒下し、派浮、或は悪寒し、或は腹時に痛む者は桂枝加芍薬湯之を主る。 五、桂枝加芍薬大黄湯 ●寒下已に止みて大実痛する者は桂枝加芍薬大黄湯之を主る。 六、桂枝加葛根湯 ●項背強り汗出でて悪風する者は桂枝加葛根湯之を主る。 七、括蔞桂枝湯 ●身体強り脈沈遅なる者、発熱して汗出で四肢拘急する者、或は桂枝湯証にして渇する者は桂技湯之を主る。 八、桂枝加黄耆湯 ●黄汗四肢弛痛、或は身疼重し煩躁し小便不利する者(煩躁し小便不利する者は方証を立つ。身体疼重を主証となすなり。)、或は盗汗出ずる者、発熱悪風して黄色を発する者は桂枝加黄耆湯之を主る。 九、桂枝加附子湯 ●発汗遂に漏れて止まず、其の人悪風し、小便難く、四肢微急して以て屈伸し難き者は桂枝加附子湯之を主る。 一〇、桂枝去芍薬湯 ●胸満し、拘急の証なき者は桂技去芍薬湯之を主る。若し喘して胸満し或は痛み或は脇下痞硬等の証ある者は此の湯の知る所にあらず。 一一、桂枝加厚朴杏子湯 ●喘家は桂技加厚朴杏子湯之を主る。若し喘して身疼痛する者は此の湯の去る所にあらず。 一二、桂枝去芍薬加皂莢湯 ●胸中熱して涎沫を吐し、或は咳する者(南呂を兼用す)桂枝去芍薬加皂筴湯之を之る。若し咳して腹中拘攣し或は咳逆倚息する者は此の湯の治する所にあらざるなり。 一三、桂枝去芍薬加蜀漆竜骨牡蛎湯 ●驚狂(紫円を兼用す)起臥安からざる者、或は火逆躁(紫円を兼用す)胸腹の動劇しき者及び虐疾にして上衝ある者(紫円を兼用す)は桂枝去芍薬加蜀漆竜骨牡蛎湯之を主る。若し胸脇苦満の証あれば則ち別に主治有り。 一四、桂技去桂加朮苓湯 ●頭項強痛し発熱し汗無く心下満し微しく痛み(南呂を兼用す)小便不利する者は桂技去桂加朮苓湯を主る。 一五、桂枝加竜骨牡蛎湯 ●失精し胸腹に動ある者(応鐘を兼用す)は桂枝加竜骨牡蛎湯之を主る。 一六、桂枝加桔梗湯 ●外感の証にして咽痛む者或は咽喉中に瘡を生じ或は腫痛する(応鐘を兼用し、劇しき者は梅肉を以て之を攻む)者は桂枝加桔板場之を主る。 一七、桂枝加朮附湯 ●湿家にして骨節疼痛(応鐘七宝を兼用す)する者或は半身不遂し口眼喎斜(南呂或は紫円)する者或は頭疼み重き(応鐘)者或は身体麻痺する者或は頭痛劇しき者(時々七宝紫円の類を以て之を政む)は桂枝加朮附湯之を主る。 一八、桂枝加苓朮附湯 ●湿家にして眼目明らかならざる者(応鐘或は紫円或は七宝)或は耳 聾し或は肉瞤筋惕する者は桂技加苓朮附湯之を主る。 (以上の二方を経按するに皆桂技去桂加朮湯の変により来る 者なり。之を験するに効を奏すること甚だ多し) 一九、桂枝附子湯 ●身体疼煩して自ら転側すること能わざる者(応鐘或は七宝) 二〇、桂枝附子去桂加朮湯 ●(前方の証にして)若し其の人大便硬く(応鐘)小便自利し衝逆 なき者は桂技附子去桂加朮湯之を主る。 二一、桂姜棗草黄細辛附湯 ●悪寒或は身体不仁或は手足逆冷して心下堅なる者(紫円南呂)及び痰飲の変ある者。 〇四肢惰痛し悪寒甚だしき者。 ●世俗にいわゆる労咳(脊骨の灸)骨蒸悪熱悪寒し心中鬱鬱とし或は心下痞堅なる者(南呂)痞堅なき者(解毒散と倶に紫円を以て時々之を攻む) 二二、小建中湯 ●腹中急痛し(応鐘)或は拘攣する者は此れ其の正証なり、若しそとに閉の証あれば則ち此の湯の主治する所にあらず。 ●衂し(解毒)失精下血(応鐘)の人腹中攣急し或は痛み、手足煩熟する者。 ●産婦にして手足煩熟し咽乾き口燥ぎ腹中拘攣する者(応鐘)若しくは塊ある者(夷則)。 二三、茯苓建中湯 ●心悸し或は筋惕肉瞤し或は頭眩する者(応鐘)心悸甚だしき者(解毒)茯苓建中湯之を主る。 二四、黄耆建中湯 ●盗汗或は汗出ずること多く或は身重く或は不仁なる者は黄耆建中湯之を主る(応鐘を兼用す) 二五、桂枝甘草附子湯 ●骨節疼煩掣痛して屈伸することを得ず之に近づけば則ち痛み劇しき者(紫円或は七宝)。 二六、桂枝人参湯 ●表裏に熱あり下利し心下痞硬する(大簇)者。痢疾にして発熱悪寒し心下痞硬する者(紫円)。 二七、人参湯 ●心下痞硬する(大簇)者、心下痞し喜ば唾し了了たらざる者(南呂)。 ●暑病(いわゆる霍乱)にして嘔吐下利し心下痞硬する者(紫円)。 二八、茯苓杏仁甘草湯 ●短気急迫し或は喘急する(紫円)者(酒客に最も多く此の病あり、此の湯を以て大いに効あり)。 二九、苓桂朮甘湯 ●心下逆満し超てば則ち頭眩する(応鐘或は紫円)者。 ●眼痛み赤脈を生じ開くこと能わざる者(応鐘或は紫円)。 ●耳聾し衝逆甚だしく頭弦する者(応鐘及び七宝)。 三〇、苓姜朮甘湯 ●身体重く腰冷え小便自利する者(応鐘)。 三一、苓桂五味甘草湯 ●咳の後衝逆劇しく手足厥冷し或は心下悸し、或は頭眩し、或は肉瞤筋惕する者(以上の諸証は皆南呂丸を兼用す)。 三二、苓甘五味姜辛湯 ●若し衝逆已に愈え但だ咳満する者は苓甘五味姜辛湯之を主る。 三三、苓甘姜味辛夏湯 ●前方の証にして嘔する者。 三四、苓甘姜味辛夏仁湯 ●前方の証にして微しく浮腫する(南呂)者。 三五、苓甘姜味辛夏仁黄湯 ●前方証にして大便通ぜさる者。 ●胸腹に動ありて潟し、腰以下水腫する者(蕤賓)。 三六、苓桂甘棗湯 ●臍下悸する者。 ●奔豚して心胸に迫り、短気息迫する(紫円)者。 三七、茯苓沢瀉湯 ●吐して渇し水を飲まんと欲する者此れ正症なり(紫円)渇して(水ありて渇す)小便不利し心下悸し或は腹脹満(水満なり)する者(蕤賓紫円仲呂の類を撰用す)。 三八、沢瀉湯 ●心下に水気ありて冒眩に苦しみ小便不利する者。 三九、五苓散 ●大いに汗出でて煩燥し、小便不利し、身熱し、消渇する者正症なり。発汗して脈浮数にして煩渇する者もまた用うべし。 ●発熱して煩渇し、水を飲まんと欲し、水口に入れば則ち吐する者(紫円)発熱して小便数なる(発汗と同意なり)者或は渇して水を飲まんと欲する者。 ●頭痛し発熱し汗出で悪寒し身疼痛して水を飲まんと欲する者。 ●発熱し嘔吐し下利し渇して水を飲まんと欲する者(紫円)。 ●心下悸して、涎沫を吐し、頭眩する者(紫円)。 四〇、茵蔯五苓散 ●心下痞し、煩渇口燥し、小便不利する者(応鐘丸)若しくは黄色を発する者は茵蔯五苓散之を主る(兼用に承気丸)。 四一、猪苓湯 ●脈浮にして発熱し、渇して水を飲まんと欲する者は其の正症なり。 ●下利し、咳嘔し、渇して心煩し、眠るを得ざる者。 ●小便淋瀝し或は膿血を便する(便は小便なり)者(滑石礬甘散或は応鐘)。 四二、牡蛎沢瀉散 ●胸腹に動ありて渇し、腰以下水腫する者(蕤賓)。 四三、八味丸 ●脚気にて疼痛し、少腹不仁(蕤賓)足冷え或は痛み、少腹拘急、小便不利する者(応鐘)。 ●消渇にして小便反って多き者。 ●煩熱して臥することを得ず倚息し、小便不利し、飲食故の如き者。 ●夜尿或は遺尿する者(応鐘及び臍下気海の辺に七壮を灸す)。 四四、麻黄湯 ●頭痛発熱し身疼み腰痛し骨節疼痛し悪風し汗なくして喘する者是れ其の正証なり。 ●喘して胸満する者が発汗の剤を服して汗せず却って衂する者。 四五、麻黄加朮湯 ●湿家にして身煩疼する者は麻黄加朮湯之を主る。 四六、麻黄加朮附湯 ●小瘡内攻して喘鳴息迫し、小便不利し、一身満腫する者は麻黄加朮附湯之を主る(桃花散或は柴円を兼用す)。 四七、麻黄附子甘草湯 ●脈微細にして但だ寝んと欲し悪寒する(黄連解毒散)者。水腫し脈沈微にして欝滯する者(桃花散或は蕤賓、時々紫円を以て之を攻めて可なり)。 四八、麻黄附子細辛湯 ●手足冷え、発熱し、脈沈なる者或は脈微細にして悪寒甚だしき者。 四九、麻黄杏仁甘草石膏湯 ●汗出でて喘し、熱伏す者。 ●喘息して渇す者(南呂或は姑洗を兼用)。 五〇、麻黄杏仁薏苡甘草湯 ●一身悉く痛み(応鐘)発熱劇しく或は浮腫(桃花)する者。 ●発熱し、皮膚枯燥し、喘満(桃花)する者。 五一、牡蛎湯 ●虐疾にして悪寒甚だしく、胸腹の動劇しき者(紫円)。 五二、小青竜湯 ●乾嘔し、発熱して咳し、或は咳し且つ微喘する者(以上は南呂を兼用す)、喘息する者(南呂或は沽洗或は大灸)、咳唾涎沫を吐する者、(南呂或は時々紫円を以て之を攻む)。 五三、大青竜湯 ●発熱悪感し、身疼痛し、汗出でずして煩躁する者。 ●脈浮緩にして発熱し、身重く、乍ち軽き時ある者。 ●頭痛劇しく、四肢惰痛し、発熱して汗出でざる者。 五四、越婢湯 ●一身悉く腫れ、脈浮にして自ら汗出で悪風する者。 五五、越婢加朮湯 ●若し前症にして小便不利する者、或は一身面目黄腫し小便自利し其の脈沈にして渇する者、或は小便利せず渇せざる者は越稗加朮湯(仲呂或は蕤賓。胸中に迫って劇しき者は紫円を以て之を攻む)之を主る。 五六、越婢加朮附湯 ●脚気にして一身腫満し、小便不利或は悪寒、或は両脚 不仁なる者は越婢加朮附湯之を主る(紫円を兼用す)。 五七、越婢加半夏湯 ●咳して上気し、喘或は嘔する者は越婢加半夏湯(南呂)之を主る。 五八、葛根湯 ●項背強りて汗なく悪寒する者(応鐘)。 ●二陽(太陽陽明)の合病で下利する者。 五九、葛根加半夏湯 ●下利せず但だ嘔する者は葛根加半夏湯之を主る。 ●病にして汗なく、小便反って少なく、気胸に上衝し、口噤して語言すること能わざる者は本方之を主る(紫円)。 六〇、葛根加桔梗湯 ●痘瘡の初熱より点見に至り(本方を投じ、紫円を兼用して之を下すこと一度)起脹より貫膿に至るは葛根加桔梗湯之を主る。 六一、葛根加大黄湯 ●落痂より以後は葛根加大黄湯之を主る。 六二、葛根加朮附湯 ●若し悪寒劇しく起脹甚だしくして一身腫脹し或は疼痛する者は葛根加朮附湯(紫円)之を主る。若し腫脹甚だしき者(桃花散)寒戦咬牙して下利する者は倶に加朮附湯(紫円を兼用す)。 ●頭瘡は加大黄湯之を主る。 六三、葛根加梓葉湯 ●小瘡は葛根加梓葉湯(桃花散、草麻子を以て之を擦し、毒劇しき者は梅肉を以て之を攻む)之を主る。 ●諸の頑腫悪腫は加朮附湯之を主る。 ●瘰癧(七宝梅肉日に投じて可なり)便毒、瘍疔の類(梅肉を以て之を攻め、伯州散を朝五分夕五分を酒にて送下す)。 ●疳瘡(七宝或は梅肉の類を撰用す)。 ●凡そ膿あるときは則ち桔梗を加え、若し疼み劇しきときは朮附を加う。 ●世俗にいわゆる小児赤遊風、丹毒の類は皆加朮附湯之を主る(紫円を兼用して之を攻む)。 六四、葛根黄芩黄連湯 ●下利し喘して汗出る者。 〇項背強ばり汗出でて下利する者(以上は応を兼用す)。 六五、小柴胡湯 ●往来寒熟、胸脇苦満ありて、黙黙として飲食を欲せず、心頒喜嘔する者。 ●胸満脇痛する者。 ●身熱あり悪風し、頚項強り、胸下満し、或は渇し、或は微しく嘔する者。 ●胸下逆満し、鬱鬱として飲食を欲せず、或ほ嘔する者(応鐘)。 ●潮熱を発し、胸脇満して嘔する者(消塊)。 ●寒熱の発作時あり、胸脇苦満し、経水の変ある者(応鐘)。 ●産婦にして四肢煩熱に苦しみ、頭痛して胸脇満する者(黄解散)。 ●産婦にして鬱冒し、寒熱往来し、嘔して食する能わず大使堅く、或は盗汗出る者(消塊或は応鐘)。 ●発熱し、大便治し、小便自可なり、胸満する者(消塊)。 ●黄色を発し、腹痛して嘔し、或は胸脇満して渇する者(応鐘)。 ●胸下硬満し、大便せずして嘔する者(消塊)。 六六、柴胡加芒硝湯 ●若し潮熱去らず、大使通ぜざる者は柴胡加芒硝湯之を主る。 六七、柴胡去半夏加湯 ●虐病にして往来寒熟し、胸脇苦満し、或は渇して嘔せざる者は柴胡去半夏加湯之を主る(紫円を兼用す)。 六八、柴胡加桂枝湯 ●若し上逆する者は柴胡加桂技湯之を主る。 六九、柴胡桂技湯 ●発熱し微しく悪寒し、肢節煩疼し、微しく嘔し、心下支給する者(応鐘を兼用す)或は腹中急痛し、上りて心を衝く者(応鐘)桂技湯を合方し之を主る。 ●若し本方の証にして嘔逆劇しき者は半夏を倍し熟して生妾汁一銭を加う。 七〇、柴胡加竜骨牡蛎湯 ●本方の症にして胸腹に動ある者、失精する者(単に但に応鐘)胸満し煩驚する者(解毒散或は紫円)は柴胡加竜骨牡蛎湯之を主る。 七一、柴胡姜桂湯 ●胸脇満し微結し、渇して嘔せず、頭汗出で、往来寒熱し、心煩する者(応鐘を兼用す)。 ●胸脇満し、上逆し、胸腹に動ある者。 ●虐疾にして悪寒甚だしく、胸脇満し、胸腹に動ありて渇する者(紫円或は応鐘) 七二、大柴胡湯 ●嘔吐止まず、心下急にして鬱鬱微煩する者。 ●心下痞硬して痛み、嘔吐し、下利する者。 ●心下満痛し、大便通ぜざる者。 ●胸脇苦満し、腹拘攣し、大便通ぜざる者。 七三、自虎湯 ●手足厥冷し、成は悪寒して自ら汗出でて讝語する者。 ●手足厥冷し、胸腹の熱劇しき者。 ●大いに煩渇し、舌上乾燥し、水数升を飲まんと欲する者。 ●大熟なく、心煩し、背に微しく悪寒する者。 ●暑病にして汗出で悪寒し、身熱して渇する者。 ●胸腹の熱劇しく、或は渇して狂の如き者(本方の内に黄連六分を加う)。 七四、白虎加人参湯 ●本方の証にして心下痞硬する者は白虎加人参湯之を主る。 七五、白虎加桂枝湯 ●虐疾にして身熱し、骨節疼煩し、渇して水を飲まんと欲する者は白虎加桂技湯之を主る(以上皆紫円を以て時々之を攻む)。 七六、小承気湯 ●腹満し大使通ぜざる者。 ●汗多く、大使硬く、讝語する者。 ●潮熟を発し、大便初頭は硬く、後必ず溏する者。 ●微しく煩し、小便数し、大使硬き者。 ●下利し讝語する者。 ●大便通ぜず、噦して讝語する者。 七七、厚朴三物湯 ●腹満し、心下痛みて大便通ぜざる者(屡々経験する所なり)。 ●心下満痛し水を吐出する者。 七八、厚朴七物湯 ●腹満し、発熱し、脈浮数にして飲食故の如き者。 ●腹満し、発熱し、脈浮数にして嘔し、大便通ぜざる者。 ●痢疾にして手足惰痛し、或は発熱し、脈浮数、或は嘔する者。 七九、大承気湯 ●潮熟を発して大便硬き者。 ●腹満し解し難き者。 ●腹脹満して喘し、両便通ぜず、一身両目水腫する者。 ●潮熱し、讝語し、大便難く、或は燥屎ある者。 ●腹満痛し、大便通ぜざる者。 ●大便通ぜず、煩して腹満する者。 ●日中了了たらず、晴和せず、大使難き者。 ●自利清水し、心下痛み、口乾燥する者。 ●胸満し、口噤し、臥して席に着かず、脚攣急し、咬牙する者。 ●腹中に堅塊あり、大便通ぜざる者。 ●痘瘡にして腹大いに満し両便通ぜず、或は讝語し、口乾き、咽燥ぐ者。 ●痢疾にして讝語し、或は腹満痛して食す能わざる者。 ●食滞し、腹急痛し、大便通ぜず、或は嘔し利する者。 八〇、瀉心湯 ●心下痞し之を按じて濡なる者は正症なり。 ●心気不足し、吐血衂血する者。 ●心煩し心下痞する者。 八一、附子潟心湯 ●若し悪寒する者は附子潟心湯之を主る。 八二、大黄附子湯 ●胸下偏痛し、発熱する者。 ●悪寒甚だしく、腹痛し、大使通ぜざる者。 八三、大黄甘遂湯 ●少腹満すること敦状の如く、小便微しく難なる者。 ●少腹絞痛し堅満し、手を近づくべからざる者。 八四、抵当湯 ●少腹硬満し、小便自利し、発狂する者。 ●喜忘れ、大便硬く、反って通じ易く、色黒き者。 ●脈浮数にして善く饑え、大便通ぜざる者。 ●経水利せざる者。 八五、橘皮大黄朴消湯 ●宿食心胸の間に在りて化せざる者。 八六、大黄消石湯 ●黄色を発し、腹満し、小便利せざる者。 ●身熟し、心煩し、大使通ぜざる者。 八七、大黄牡丹皮場 ●腹癰にして之を按ぜば即ち痛み、時時発熱し、自ら汗出で、復た悪寒する者。 ●腹中に堅塊あり、経水不順なる者。 ●腹脹満すること鼓の如く、青筋を生じ、或は腫れ、小便利せざる者。 ●少腹に堅塊あり、小便淋瀝する者。 八八、大黄甘草湯 ●大便通ぜず急迫する者。 ●食し已れば即ち吐し、大便通ぜざる者。 八九、調胃承気場 ●汗吐下に因て讝語する者。 ●発汗後、熱して大便通ぜざる者。 ●下剤を服み下利して止まず、心煩し或は讝語する者。 ●吐下の後、心下温温として吐を欲し、大便溏し、腹微しく満し、鬱鬱として微煩する者。 ●吐後腹脹満する者。 九〇、桃核承気湯 ●少腹急結して狂の如き者。 ●胞衣下らず、気急息迫する者。 ●産後少腹堅痛し、悪露尽きず、或は大便せずして煩躁し、或は讝語する者。 ●痢疾にして少腹急痛する者。 九一、甘草湯 ●急迫して咽痛む者。 九二、桔梗湯 ●咽痛する者(応鐘)。 ●咽中腫れ飲食すること能わざる者。 ●肺癰(応鐘)癰疽(伯州散或は梅肉初発に宜しく灸)諸腫膿ある者(伯州梅肉)。 九三、芍薬甘草湯 ●脚攣急する者(応鐘紫円)。 九四、甘遂半夏湯 ●下利し心下続いて堅満なる者。 ●下利し、拘攣して痛み近づくベからざる者。 九五、芍薬甘草附子湯 ●汗の後悪寒する者。 ●脚攣急し疼痛する者(応鐘、紫円或は蕤賓)。 九六、甘麦大棗湯 ●心中煩躁し、悲傷して哭せんと欲し、腹中濡なる者(紫円或は解毒散兼用)。 九七、生姜甘草湯 ●咳唾涎沫止まず、咽燥いて渇する者(南呂)。 ●嘔吐止まず、心下痞硬して急迫する者(紫円)。 九八、甘草乾姜湯 ●涎沫を吐し、咳せず、遺尿し、小便数なる者(南呂)。 ●足厥し、咽中燥ぎ、煩躁し、嘔逆する者。 ●吐下の後厥逆し煩躁し如何ともすべからざる者。 九九、四逆湯 ●手足厥冷する者。 ●下利清穀する者。 ●腹拘急し、四肢厥冷し、下利し、悪寒する者。 ●大いに汗出で、熱去らず、拘急し、四肢厥冷する者。 ●下利し、腹脹満し、身体疼痛する者。 一〇〇、通脈四逆湯 ●吐利し、汗出で、発熱悪寒し、四肢厥冷し、派微にして絶せんと欲し、或は腹痛、或は乾嘔、或は咽痛む者は通脈四逆湯之を主る。 一〇一、四逆加人参湯 ●下利し、悪寒し、脈微にして手足厥冷し、或は心下痞硬する者は四逆加人参湯之を主る。 一〇二、茯苓四逆湯 ●手足厥冷し煩躁する者。 ●肉瞤筋惕し、手足厥冷する者。 ●心下悸し、悪寒し、腹拘急し、下利する者。 一〇三、乾姜附子湯 ●煩躁して眠るを得ず、脈沈微の者。 一〇四、附子梗米湯 ●腹中雷鳴し、切痛し、胸脇逆満し、嘔吐する者(消塊)。 ●悪寒或は手足厥冷し、腹満痛し嘔吐する者(消塊紫円)。 一〇五、薏苡附子敗醤散 ●腸癰にして其の身甲錯し、腹皮急にして之を按じて濡なること腫状の如く、脈数なる者。 ●瘡家にして身甲錯する者。 ●所謂掌風なる者(以上梅肉)。 一〇六、大烏頭煎 ●腹痛み、自汗出で、手足厥冷し、脈沈弦なる者(蕤賓或は紫円)。 一〇七、烏頭湯 ●歴節疼痛し屈伸すべからざる者。 ●脚攣急し疼痛し屈伸すべからざる者。 ●脚腫れ疼痛する者(以上は蕤賓を兼用し、時時紫円を以て之を攻む、仲呂また可なり)。 ●腰以下腫れ疼痛する者(蕤賓或は仲呂或は桃花散)。 ●腹中絞痛拘急し、転側することを得ず、身重く、手足厥冷し、陰縮する者。 ●少腹攣急し、陰嚢偏大なる者(蕤賓或は仲呂)。 ●自汗盗汗出で浮腫する者。 一〇八、赤丸 ●厥逆し、悪寒し、心下悸する者。 一〇九、真武湯 ●腹痛(消塊)、小便不利、四肢沈重疼痛し、下利し、或は咳し、或は嘔する者。 ●心下悸し、頭眩し(応鐘)身瞤動し、振振として地に倒れんと欲する者。 ●舌上乾燥し黒胎を生じ、口中に津液あり、身熱し、頭眩し、手足振振とし、或は下利する者(紫円)。 一一〇、附子湯 ●脈微細にして其の背悪寒する者。 ●身体痛み、手足冷え、骨節痛み、脈沈なる者(応鐘)。 ●身体痛み、小便不利(仲呂)、心下悸し或は痞硬する者。 一一一、天雄散 ●失精し、臍下に動ありて悪寒し、或は衝逆し、或は小便不利する者(応鐘)。 一一二、梔子豉湯 ●心中懊憹する者。 ●煩熱し胸中窒がる者。 ●身熱去らず、心中結痛する者。 ●下して後煩し、心下濡なる者(此の煩と桂枝湯発汗後の煩と混ずべからず)。 一一三、梔子甘草豉湯 ●若し急迫する者は梔子甘草豉湯之を主る。 一一四、梔子生姜豉湯 ●若し嘔する者は梔子生姜豉湯を主る。 一一五、枳実梔子豉湯 ●若し胸満し煩熱する者は枳実梔子豉湯之を主る。 一一六、梔子大黄豉湯 ●若し大便通ぜず、胸脇満痛する者、黄疸にて心中懊或は熱痛する者は梔子大黄豉湯之を主る。 一一七、茵蔯蒿湯 ●黄色を発し、小便不利し、渇して水を飲まんと欲し、大便通ぜざる者。 ●黄色を発し、小便不利し、腹微しく満する者。 ●寒熟し、不食し、頭眩し、心胸安からざる者。 一一八、梔子蘗皮湯 ●身黄し発熱する者。 ●身黄し心煩する者(解毒散)。 一一九、梔子厚朴湯 ●心煩し、腹満し、起臥安からざる者。 一二〇、梔子乾姜湯 ●身熱去らず微煩する者(解毒散を兼用す)。 一二一、大陥胸湯 ●結胸し、心下痛み之を按じて石の如く硬き者。 ●短気し、煩躁し、心下硬き者。 ●舌上燥いて渇し、潮熱を発し、大便せず、心下より少腹に至りて硬満して痛み近づくべからざる者。 ●讝語し、煩躁し、心下痛み近づくべからざる者。 一二二、小陥胸湯 ●結胸して痰飲の変ある者(南呂、姑洗或は紫円を兼用す)。 ●亀背にして腹中に積聚なき者(紫円を兼用す)。 ●病胸中に聚りて嘔し、或は吃する者。 ●胸膈膨脹して癇を発する者(紫円)。 一二三、括薤白白酒湯 ●喘息咳唾し胸背痛む者(姑洗、白散或は紫円)。 一二四、括薤白半夏湯 ●若し心痛の背に徹して臥することを得ざる者及び膈噎にして心痛する者ほ括蔞薤白半夏湯之を主る(倶に姑洗紫円を兼用す)。 一二五、瓜蔕散 ●胸中痞塞し咽喉に上衝し、息し得ざる者。 ●手足厥冷し、心中煩満し、餓えて食する能わざる者。 ●心中温温として吐を欲し、又吐す能わず手足厥冷する者。 一二六、大半夏湯 ●嘔吐して心下痞硬する者(大簇或は紫円)。 ●嘔して心下痛む者(南呂)。 一二七、小半夏湯 ●嘔吐して渇せざる者(嘔劇しき者は生姜汁を倍加す)。 一二八、小半夏加茯苓湯 ●若し心下痞し眩悸する者は小半夏加茯苓湯之を主る。(倶に紫円を兼用す)。 一二九、半夏苦酒湯 ●咽中に瘡を生じ語言すること能わざる者。 ●咽中腫れ、水穀下らざる者。 一三〇、半夏厚朴湯 ●咽中に炙臠あるが如き者。(南呂を兼用す。按ずるに千金は胸満し、心下堅く、咽中帖帖として炙肉あるが如く、之を吐して出でず、之を呑みて下らずに作る)。 ●若し感冒の桂技の証にして痰飲ある者は桂枝湯を合方して之を主る(屡々経験するところなり)。 一三一、半夏乾姜散 ●乾嘔して止まざる者。 ●涎沫を吐す者(南呂を兼用す)。 一三二、乾姜人参半夏丸 ●妊娠嘔吐止まざる者。 ●心下痞硬して乾嘔止まざる者。 一三三、半夏瀉心湯 ●心下痞硬し、腹中雷鳴する者(大簇)。 ●嘔して腸鳴し、心下痞硬する者(大簇)。 ●心中煩悸し或は怒り、或は非傷する者(紫円)。 一三四、甘草瀉心湯 ●若し下利止まず、乾嘔し、心煩する者は甘草瀉心湯之を主る。黙黙として眠らんと欲し目閉ずることを得ず起臥安からず、飲食を欲せず、食臭を聞くことを悪む者は甘草瀉心湯之を主る。 一三五、生姜瀉心湯 ●若し乾噫し、食臭し、腹中雷鳴し、下利し或は嘔吐する者は生姜瀉心湯之を主る。 一三六、呉茱萸湯 ●穀を食し嘔せんと欲する者(方意は気逆を以て主証となす)。 ●吐利(吐瀉なり)し、手足厥冷し、煩躁する者。 ●乾嘔し、涎沫を吐し、頭痛する者(南呂)。 ●嘔して胸満する者(紫円)。 ●脚気上攻して嘔する者(紫円)若し水腫して嘔する者は此の湯の知る所にあらず。 一三七、厚朴生姜半夏甘草人参湯 ●腹脹満し嘔逆する者(消塊を兼用す)。 一三八、黄連湯 ●胸中に熱あり、腹中痛み、嘔吐せんと欲する者。 ●心煩して嘔逆する者(以上紫円を兼用す)。 一三九、乾姜黄連黄芩人参湯 ●下利し、心煩し、食口に入れば即ち吐する者(紫円を兼用す)。 ●下利し、心下痞硬し、乾嘔する者(紫円を兼用す)。 一四〇、大建中湯 ●心胸間痛み、嘔して食すること能わざる者。 ●腹中寒え上衝し、皮起り出で見れ頭足上下有り、痛んで触れ近づくべからざる者(紫円を兼用す)。 一四一、黄連阿膠湯 ●心中煩して臥すこと能わざる者。 ●胸中熱あり、心下痞し、煩して眠ること能わざる者。 一四二、黄芩湯 ●心下痞し自下利する者。 ●口苦く、咽燥き、目眩み、自下利する者。 一四三、黄加半夏生姜湯 ●若し嘔する者は黄芩加半夏生姜湯之を主る。 一四四、六物黄芩湯 ●乾嘔し、下利し、心下痞硬する者。 ●痢疾にして心下痞硬して嘔し食す能わざる者(紫円を兼用す)。 一四五、三物黄芩湯 ●四肢煩熱する者(黄連解毒散を兼用す)。 一四六、白頭翁湯 ●熱利下重なる者。 ●下利し水を飲まんと欲する者。 ●胸中熱して心煩し、下利する者。 一四七、白頭翁加甘草阿膠湯 ●若し心煩し眠ることを得ず、或は煩躁する者は白頭翁加甘草阿膠湯之を主る。 一四八、木防已湯 ●喘満し心下痞堅する者。 ●腫満し心下硬満する者。 ●短気或は逆満して痛み或は渇す者(以上蕤賓南呂を兼用し、劇しき者紫円を以て之を攻む)。 一四九、木防已去石膏加茯苓芒消湯 ●若し喘満止み、或は渇せず、心下悸して痞堅解け難き者は木防已去石膏加茯苓芒消湯之を主る。 一五〇、防已茯苓湯 ●四肢腫れ、水気皮膚中にあり、肉瞤筋惕する者(桃花散)。 一五一、防已黄耆湯(方は外薹に従う) ●水病にて脈浮、身重く、汗出で、悪風する者。 ●水病にて小便難、腰以下腫れ或は陰に及びて屈伸し難き者(南呂)。 一五二、枳実芍薬散 ●腹痛し煩満する者(夷則)。 一五三、枳実湯 ●心下痞堅し、小便利せざる者。 ●或は心下満痛し、小便利せざる者(仲呂)。 一五四、排膿散 ●瘡癰痛んで膿潰せんと欲する者(梅肉)。 一五五、桂枝枳実生姜湯 ●心中痞し逆満し心痛する者。 ●逆満し水を吐出し、水薬を受けざる者(消塊或は南呂)。 一五六、枳実薤白桂枝湯 ●心中痞し、胸脇満して脇下逆して心を搶く者。 ●胸満し、心痛し、或は背痛む者(南呂或は控涎円)。 ●膈噎にて胸痛する者(控涎円或は紫円)。 一五七、橘皮枳実生姜湯 ●胸中痞塞し、逆満し、短気する者。 ●吃逆止まざる者。 一五八、茯苓飲 ●胸中に痰飲あり、満して食す能わざる者(南呂)。 ●水を吐出し、心下痞硬し、小便不利する者(紫円)。 ●脚気にて小便不利し、心下悸し、逆満して嘔する者(蕤賓或は紫円)。 一五九、橘皮竹茹湯 ●胸中痺して吃逆する者。 一六〇、橘皮湯 ●乾嘔し、噦し、若し手足厥する者。 一六一桂枝茯苓丸 ●漏下して止まず、胎動臍上にある者。 ●婦人衝逆し頭眩し、或は心下悸し、或は肉瞤筋惕する者(夷則)。 ●経水利せず、面部或は手足腫れる者(湯或は散として之を服し夷則或は低当丸を兼用す)。 ●病に血症の変あり、手足煩熱し、小便不利する者(夷則)。 一六二、芎帰膠艾湯 ●漏下する者。 ●産後の下血絶えざる者。 ●下血、吐血止まざる者(解毒散)。 一六三、旋覆花代赭石湯 ●心下痞硬し、噫気除かざる者。 一六四、赤石脂禹餘糧湯 ●下利し小便不利する者。 ●少腹痛み、小便不利し若くは下利する者。 一六五、桃花湯 ●下利し膿血を便する者。 ●腹痛み、小便利せず、下利止まざる者。 一六六、酸棗仁湯 ●煩して眠ることを得ざる者。 ●煩悸して眠く宿?れざる者。 一六七、葶藶大棗湯 ●喘して臥することを得ざる者。 ●一身目浮腫し、咳逆上気し、喘鳴息迫する者(白散を兼用す)。 一六八、十棗湯 ●頭痛し、心下痞硬し、脇下に引いて痛み、乾嘔し、汗出る者。 ●欬し、煩し、胸中痛む者。 ●胸背掣痛し息し得ざる者。 一六九、桔梗白散 ●結毒ありて濁唾し膿を吐す者。 ●毒胸咽にありて息することを得ざる者。 一七〇、走馬湯 ●中悪心痛腹脹り大便通ぜざる者。 ●喘鳴息迫する者(小児の馬脾風の類是れなり)。 ●所謂中風にて吼喘息迫する者。 一七一、備急円 ●食滞し腹満する者。 ●心痛し諸卒痛する者。 ●霍乱にて吐下し心痛する者。 一七二、礬石湯 ●脚気にて痿弱不仁し、及び上入して心を搶く者。 一七三、消礬散 ●日哺に発熱悪寒し、少腹満し、身悉く黄し、額上黒く、足下熱し、或は腹脹りて水状の如く、大便時に溏す者。 一七四、蛇床子散 ●陰中痒き者此の湯を以て之を洗う。眼目痒き者もまた然り。 一七五、黄土湯 ●下血し、四肢不仁し或は冷えて痛む者。 ●下血し、手足煩熱し、心煩し、眠ることを得ざる者。 ●吐血、衂血もまた前症あれば則ち此の湯之を主る。 一七六、桂枝芍薬知母湯 ●歴節疼痛攣急し、頭眩し、温温として吐せんと欲する者。 |
◎訓者註す 一、原本には湯名の次に処方内容、煎法、服用法等の記載あるも、是らは類聚方広義記載のものと大同小異なるにより 割愛したことを諒とせられたい。 二、兼用方の委細は類聚方広義の巻末に記載してある。 三、和訓は文化八辛未歳三月、東都書林、日本橋青物町西宮弥兵衞、本石町十軒店英平吉刊行の本を台本とした。 |